境界性パーソナリティ症スクリーニング(DSM-5ベース)

境界性パーソナリティ障害(BPD)セルフチェック・診断テスト(無料)

感情の不安定さ・対人関係・自己像・衝動性の傾向を振り返るスクリーニング・所要約5分

境界性パーソナリティ症(BPD)セルフチェックは、感情・対人関係・自己像の不安定さや衝動性に関連する傾向を振り返るための質問群です。本セルフチェックは、DSM-5(米国精神医学会の診断基準)のBPDの9つの基準をもとにした教育的な内容です。BPDは適切な治療で大きく改善する病気です。なお、「パーソナリティ症」はDSM-5-TRの日本語版で採用された名称で、以前の版では「パーソナリティ障害」と訳されていました。指しているものは同じです。

このスクリーニングが測るもの

見捨てられることへの強い不安・不安定で激しい対人関係・不安定な自己像・衝動的な行動・自傷や自殺の脅し・気分の急激な変動・慢性的な空虚感・強い怒りのコントロールの難しさ・一時的な現実感の喪失など、BPDに関連する傾向を振り返ります。

これは「スクリーニング」であり「診断」ではありません

本セルフチェックはBPDを診断するものではありません。パーソナリティ症の診断には、専門医による構造化された評価が必要です。BPDは「治らない」と誤解されがちですが、弁証法的行動療法(DBT)などの治療で大きく改善します。自傷や死にたい気持ちがあるときは、すぐに相談窓口に連絡してください。

第1問 / 全20問0% 完了

大切な人に去られる・拒まれるかもしれないと思うと、実際の根拠がほとんどなくてもパニックになります。

相談・受診の窓口(日本)

精神保健福祉センター(各都道府県・政令市)

こころの健康に関する相談を無料で受けられる公的機関です。お住まいの自治体名と「精神保健福祉センター」で検索してください。

厚生労働省「まもろうよ こころ」

電話・SNS相談の窓口を一覧で紹介する、厚生労働省の公式まとめページです。

日本精神神経学会・専門医検索

精神科・心療内科の受診を検討する際は、日本精神神経学会の専門医情報が参考になります。まずは内科・かかりつけ医に相談してから紹介を受ける方法もあります。

有病率の目安:人口の約1.6〜5.9%

DSM-5では、以下の9つのうち5つ以上が、成人期早期から広く持続し、大きな生活機能の障害を生んでいることが診断の目安です。

DSM-5の基準は、日常でこう現れる

  1. 1. 見捨てられることを避けようとする必死の努力

    大切な人に去られることへの強い恐れで、それが現実でも想像でも起こります。しがみつきや感情の爆発など、離れることを防ごうとする激しい行動につながることがあります。

  2. 2. 不安定で激しい対人関係

    「この人がすべて」という理想化と、「この人には価値がない」というこき下ろしの両極端を行き来する関係です。「スプリッティング」と呼ばれることもあります。

  3. 3. 同一性の混乱

    価値観や目標、進路、性的同一性、意見などが、そばにいる人によって大きく揺れ動く、著しく不安定な自己感覚です。「本当の自分がない」と感じると語る人もいます。

  4. 4. 自己を傷つける可能性のある衝動性

    物質使用、過食、危険な性行為、無謀な運転、浪費など、少なくとも2つの領域での無謀で無計画な行動で、とくに感情が苦しいときに起こりやすいものです。

  5. 5. 自殺に関する行動や自傷の繰り返し

    自殺をほのめかす言動や企図、自殺を目的としない自傷行為などです。耐えがたい痛みを伝えたり、圧倒的な感情を調整しようとしたりする試みとして起こることが多いとされます。いま危険を感じている場合は、ページ上部の相談窓口をご利用ください。

  6. 6. 感情の不安定さと反応性

    多くは対人関係の出来事をきっかけに、数時間のうちに強い不安やいらだち、落ち込みへと気分が大きく揺れます。その反応は演技ではなく、本当に激しいものです。

  7. 7. 慢性的な空虚感

    内側がからっぽ、あるいは麻痺しているような感覚が続きます。うつとは異なり、悲しみというより「何もない」感じと表現されることがよくあります。

  8. 8. 不適切で激しい怒り

    状況に不釣り合いに感じられる怒りを抑えにくく、言葉や身体での衝突になることもあります。そのあと強い恥や罪悪感が続くことが多いのも特徴です。

  9. 9. ストレスに関連した一時的な猜疑的な考えや解離

    ストレス下で「みんなが自分をおとしめようとしている」といった一時的な考えや、体や周囲から切り離されたような感覚、記憶の抜けが起こります。ストレスが去ると通常おさまります。

治療・支援のアプローチ

弁証法的行動療法(DBT)

マーシャ・リネハンが開発した、もっとも研究が進んでいる治療法です。苦痛への耐性、感情調整、対人関係の効果性、マインドフルネスのスキルを身につけます。複数の無作為化比較試験で、自傷や希死念慮、入院を標準的な治療より大きく減らすことが示されています。

メンタライゼーションに基づく治療(MBT)

ベイトマンとフォナギーが開発した治療法で、自分と他者の心の状態を理解する力を育てます。いくつかの試験でDBTに匹敵する効果が示されています。

スキーマ療法

見捨てられ、虐待、情緒的な剥奪など、幼少期に形づくられた根深いパターンに取り組みます。オランダの大規模な無作為化比較試験では、3年間で参加者の約45%が寛解したと報告されています。

薬物療法

境界性パーソナリティ症そのものに承認された薬はありませんが、併存する症状に対して医師の判断で薬が使われることがあります。薬だけでは十分ではなく、心理療法の補助として用いるのがもっとも効果的とされます。

出典・引用と方法論

DSM-5 の診断基準にもとづく教育目的の改変版(APA, 2013)
使用尺度:
DSM-5 BPD criteria (educational adaptation) — Borderline Personality Disorder DSM-5 criteria — educational adaptation
原著者:
American Psychiatric Association
発表年:
2013
掲載誌:
Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 5th edition (DSM-5)
Mindshape での改変:
境界性パーソナリティ症のDSM-5の9つの診断基準にもとづく教育目的の改変版です。妥当性が検証されたSCID-5-PDやPAI-BORによる診断面接の代わりにはなりません。陽性の結果は、臨床家による評価を受ける意味があることを示すもので、診断ではありません。
改変版バージョン:
v1.1 · 最終確認 2026-05-23

臨床アドバイザー制度:準備中

有資格の臨床レビュアーによる監修体制を準備中です。それまでの間、各スクリーニングは出典尺度を教育目的で改変したもので、自己理解の手がかりであり、臨床診断ではありません。 監修体制について

すべてのセルフチェックの出典・改変内容・バージョン情報は、Mindshape の方法論ページにまとめています。

よくある質問

境界性パーソナリティ症は治りますか?

はい。BPDはかつて「治りにくい」と考えられていましたが、現在では、弁証法的行動療法(DBT)やメンタライゼーションに基づく治療(MBT)などにより、大きく改善することが分かっています。多くの人が時間をかけて症状を和らげ、安定した生活を取り戻しています。希望を持って専門家に相談してください。

BPDの診断には何が必要ですか?

BPDの診断には、精神科医による詳しい問診や、構造化された面接(SCID-5-PDなど)を用いた総合的な評価が必要です。本セルフチェックはDSM-5の基準をもとにした教育的ツールにすぎず、診断の代わりにはなりません。該当傾向が高い場合は、専門医に相談してください。

自傷や死にたい気持ちがあります。

今つらい気持ちを抱えているなら、点数にかかわらず、すぐに相談してください。よりそいホットライン(0120-279-338・24時間・無料)やいのちの電話(0570-783-556)に連絡できます。命の危険があるときは119(救急)に電話してください。あなたは一人ではありません。

BPDと双極性障害は違いますか?

違います。双極性障害の気分の波は数日〜数週間単位で続くのに対し、BPDの感情の変動はしばしば数時間単位で、対人関係の出来事に強く反応して起こります。両者は混同されやすく、正確な区別には専門医の評価が必要です。気分の不安定さが気になる場合は相談してください。