ASRS-v1.1 スクリーナー(WHO・6問・日本語版)

ADHD診断テスト(大人・無料)|ASRSセルフチェック6問

WHOの成人ADHDスクリーニング「ASRS-v1.1」の6問を、公式の日本語訳のままで。約2分・会員登録不要・回答は受診時にそのまま見せられます

このページのADHD診断テストは、世界保健機関(WHO)と成人ADHDの研究者が作ったスクリーニング「ASRS-v1.1」の6問版です。質問文と回答の選択肢は公式の日本語訳をそのまま使い、採点も用紙に書かれた規則どおりに行います。ネット上には独自の質問で作られた「ADHD診断テスト」も多くありますが、この6問は研究で精度が確かめられており、日本語版の信頼性と妥当性も報告されています(Takeda, Tsuji & Kurita, 2017)。

このスクリーニングが測るもの

6問は、ADHDの18の症状(DSM-IV-TRの基準にもとづく)の中から、ADHDを最もよく見分けられる質問として選ばれたものです(Kessler et al., 2005)。質問1〜4は不注意(最後の仕上げ・段取り・物忘れ・先延ばし)、質問5〜6は多動(体の落ち着かなさ・内側の落ち着かなさ)について、過去6カ月の頻度で答えます。正式な用紙で灰色に塗られた欄に当たる回答(質問1〜3は「時々」以上、質問4〜6は「頻繁」以上)が4問以上あれば、スクリーニング陽性です。

これは「スクリーニング」であり「診断」ではありません

このテストでADHDの診断はできません。ADHDの診断は、医師が問診などを通して、症状の数と程度、子どもの頃(12歳になる前)から症状があったか、家庭や職場など複数の場面で困りごとが出ているか、ほかの病気で説明できないかを総合的に確かめて行います。陽性でもADHDとは限らず、陰性でもADHDではないとは言い切れません。結果は「医師に相談するかどうか」を考える材料として使ってください。

質問に答える際は、過去 6 カ月間におけるあなたの感じ方や行動を最もよく表す欄にチェック印を付けてください。

質問 1 / 60% 回答済み

物事を行なうにあたって、難所は乗り越えたのに、詰めが甘くて仕上げるのが困難だったことが、どのくらいの頻度でありますか。

成人期のADHD自己記入式症状チェックリスト(ASRS-v1.1)6問スクリーナー。ASRS-v1.1スクリーナーは18問のASRS-v1.1症状チェックリストの一部です。© New York University and the President and Fellows of Harvard College / © New York University and Ronald C. Kessler. 世界保健機関(WHO)と成人期ADHD作業グループ(Lenard Adler, Ronald Kessler, Thomas Spencer)が作成。日本語訳:武田俊信(龍谷大学)。出典:Kessler RC, et al. Psychological Medicine 2005;35(2):245–256.

相談・受診の窓口(日本)

精神保健福祉センター(各都道府県・政令市)

こころの健康に関する相談を無料で受けられる公的機関です。お住まいの自治体名と「精神保健福祉センター」で検索してください。

厚生労働省「まもろうよ こころ」

電話・SNS相談の窓口を一覧で紹介する、厚生労働省の公式まとめページです。

日本精神神経学会・専門医検索

精神科・心療内科の受診を検討する際は、日本精神神経学会の専門医情報が参考になります。まずは内科・かかりつけ医に相談してから紹介を受ける方法もあります。

この6問の精度——わかっていること

開発時の研究(米国の地域住民154人、Kessler et al., 2005)では、6問版はADHDの人の68.7%を陽性と判定し(感度)、ADHDでない人の99.5%を正しく陰性と判定しました(特異度)。同じ研究で、6問版は18問すべての回答を単純に数える方法よりも、全体の正確さが高い結果でした。

つまり、ADHDでない人が陽性になることは少ない一方で、ADHDの人のおよそ3割はこの基準に届きません。陰性でも困りごとが続いているなら、それだけで相談する理由になります。

日本語版については、成人のADHDの人48人、ほかの精神疾患のある人46人、一般の成人96人、大学生894人を対象にした研究で、6問版(ASRS-J-6)を含め、最適な区切り点での感度・特異度などがいずれも0.69を上回ったと報告されています(Takeda, Tsuji & Kurita, 2017)。研究者自身も、さらに検証が必要だとしています。

大人のADHDに見られやすい特徴

大人のADHDは、子どもの頃のように走り回る形よりも、仕事や家事が「回らない」形で表れやすいとされます。

不注意

締め切りや約束を落とす、書類や物をなくす、単調な作業で集中が続かない、話しかけられているのに内容が頭に入らない、といった形です。

段取り・先延ばし

何から手をつければよいか決められない、頭を使う作業ほど取り掛かれない、面白い部分が終わると最後の詰めが残る、といった形です。

多動・衝動性

座っていると手足が動く、体は座っていても内側が落ち着かない、相手が話し終える前に口をはさむ、順番を待つのがつらい、といった形です。

診断で確かめられること

DSM-5では、17歳以上の場合、不注意か多動・衝動性のどちらかで5つ以上の症状が6カ月以上続いていること、いくつかの症状が12歳になる前からあったこと、家庭と職場など2つ以上の場面で見られることなどが確認されます。

「ADHDグレーゾーン」と言われたら

「グレーゾーン」は正式な診断名ではありません。ADHDの特徴はあるものの、診断基準をすべて満たすほどではない状態を指して使われる言葉です。診断がつかなくても、困りごとは本物です。予定の見える化や作業の区切り方といった生活の工夫、職場での調整、カウンセリングなど、使える支援はあります。

女性のADHD

女性のADHDは、多動が目立たず不注意が中心の形で表れることが多く、子どもの頃に見過ごされて大人になってから気づかれやすいとされています。片づけや段取りの苦手さを「性格」や「努力不足」と受け止めて、長く自分を責めてきた人も少なくありません。このテストの質問1〜4(不注意)に多く当てはまる場合は、多動の質問に当てはまらなくても、相談する意味があります。

ADHDと似ている状態

集中しにくさや落ち着かなさは、ADHD以外でも起こります。医師の診察では、こうした可能性も一緒に確かめます。

うつ病・不安症

気分の落ち込みや強い不安があると、集中力や段取りの力も落ちます。困りごとが最近になって始まった場合は、こちらの可能性も考えます。

睡眠不足・睡眠の病気

睡眠が足りない、または眠りの質が悪いと、物忘れや不注意が増えます。

自閉スペクトラム症(ASD)

ADHDと併存することも多い発達の特性です。人づきあいの難しさやこだわりが目立つ場合は、ASDのセルフチェックも参考になります。

HSP(とても敏感な気質)

刺激が多いと疲れて集中できなくなる点は似ていますが、HSPは病気ではない気質で、子どもの頃からの不注意や衝動性は含まれません。

受診・相談の流れ

大人のADHDは、精神科や心療内科で相談できます。すべての医療機関が大人の発達障害を診ているわけではないため、予約の際に「大人のADHDの相談をしたい」と伝えて確認するとスムーズです。

初診では、今の困りごとに加えて、子どもの頃の様子を詳しく聞かれます。通知表の所見欄や、家族から聞いた子どもの頃の話があると役立ちます。必要に応じて心理検査が行われることもあります。このテストの結果画面に表示される質問ごとの回答は、そのまま医師に見せることができます。

どこに相談すればよいかわからないときは、各都道府県・指定都市にある発達障害者支援センターでも相談できます。

出典・引用と方法論

自由に利用できる尺度
使用尺度:
ASRS-v1.1 Screener(6問・日本語版) — Adult ADHD Self-Report Scale v1.1, 6-question screener (Part A), official Japanese translation
原著者:
Kessler, R. C., Adler, L., et al. (WHO ASRS); Japanese translation: Takeda, T. (Ryukoku University); Japanese validation: Takeda, T., Tsuji, Y., & Kurita, H. (2017)
発表年:
2005
掲載誌:
Psychological Medicine, 35(2), 245–256 (Kessler et al., 2005); Research in Developmental Disabilities, 63, 59–66 (Takeda, Tsuji & Kurita, 2017 — ASRS-J / ASRS-J-6)
出典リンク:
https://license.tov.med.nyu.edu/product/asrs6Qscreener
Mindshape での改変:
日本語版のページでは、ASRS-v1.1の6問スクリーナー(パートA)を、公式の日本語訳(武田俊信訳)のまま、電子化以外の改変をせずに使用しています。採点も用紙の規則どおり(灰色の欄に当たる回答が4問以上で陽性)です。© New York University and the President and Fellows of Harvard College——出典を明記すれば商用を含めて無償で利用できます。日本語版の信頼性・妥当性はTakeda, Tsuji & Kurita(2017)が報告しています。スクリーニングであり、診断ではありません。
改変版バージョン:
v1.1-JA · 最終確認 2026-10-13

臨床アドバイザー制度:準備中

有資格の臨床レビュアーによる監修体制を準備中です。それまでの間、各スクリーニングは出典尺度を教育目的で改変したもので、自己理解の手がかりであり、臨床診断ではありません。 監修体制について

すべてのセルフチェックの出典・改変内容・バージョン情報は、Mindshape の方法論ページにまとめています。

よくある質問

ADHDは自分で診断できますか?

できません。ADHDの診断は、医師が症状の程度、子どもの頃から続いているか、複数の場面で困りごとがあるか、ほかの病気で説明できないかを確かめて行います。セルフチェックでわかるのは「専門家に相談したほうがよいかどうか」の目安までです。

大人がADHDかどうかチェックする方法は?

まずはこのページのASRS-v1.1のような、研究で精度が確かめられたスクリーニングで目安を知るのが第一歩です。陽性だった場合や、陰性でも困りごとが続いている場合は、大人のADHDを診ている精神科・心療内科で相談してください。

このADHD診断テストは、ほかのテストと何が違いますか?

WHOと研究者が作ったASRS-v1.1の6問を、公式の日本語訳と正式な採点基準のまま使っている点です。質問を独自に作ったテストと違い、どのくらいの精度で見分けられるかが研究で報告されています(Kessler et al., 2005/Takeda, Tsuji & Kurita, 2017)。

大人になってからADHDになることはありますか?

DSM-5では、症状のいくつかが12歳になる前からあることが診断の条件です。大人になってから診断される人の多くは、子どもの頃から特徴があったものの、目立たなかったり周りの支えで乗り切れていたりして、気づかれなかった人たちです。

ADHDの「軽度」とはどういう状態ですか?

DSM-5には、軽度・中等度・重度という重症度の区分があります。軽度は、症状が診断に必要な数をわずかに超える程度で、生活への支障も小さい場合です。軽度でも、本人にとっての困りごとが小さいとは限りません。

ADHDの人はどのくらいいますか?

複数の研究をまとめた分析では、大人のADHDの割合はおよそ2.5%と推定されています(Simon et al., 2009)。年齢が上がるほど割合は下がる傾向がありました。

18問版との違いは?

ASRS-v1.1の正式な症状チェックリストは18問で、最初の6問(パートA)がスクリーニング用です。公式の説明では、ADHDを最も鋭敏に予測できるのはこの6問で、残りの12問(パートB)は症状をさらに詳しく知るための補足とされています。